2013年11月30日土曜日

今日のワイン : Jean-François Ganevat "Clos Champ Bernard" 2010

正直に言ってうちはリッチではないので、いつも価格帯が手頃なデイリーワイン買っていますが、「たまには贅沢しても良いかな〜」ということで、お店に寄ってくれた夫と棚を見回して選んだのがこれ。
ジャン=フランソワ・ガヌヴァの「クロ・シャン・ベルナール」2010年。
ガヌヴァはジュラ地方の自然派ワインでトップクラスの造り手として人気があります。ものすごい数のキュヴェがあるらしいですが、うちのお店に現在入っているのは全部で5つ。このキュヴェはサヴァニヤン種、土壌はシスト。
サヴァニヤンはジュラ特有の品種で、この地方独特のワイン、ヴァン・ジョーヌに使われます。(ヴァン・ジョーヌとは、樽熟成中に蒸発する分の継ぎ足しをせずに、ワインの表面に酵母によってできた膜で酸化を抑制しながら6年寝かせる、とても辛口で独特なワイン。)
私はこの品種はあまり飲んだことがなく、「すごく辛口」というイメージがありました。でも、このシャン・ベルナールは柔らかさもあって、柑橘系フルーツやフローラルな香りで複雑な味わい。それでいて雑味がなくて洗練されている。
抜栓直後は閉じた感じでしたが、残しておいた半分を二日後に飲んでみたら、石油っぽさが薄くなって、他のアロマが出てベターな状態でした。(この石油っぽさはシスト土壌からきているのかも?)

うーん、サヴァニヤン、奥が深そうだ。

やっぱり値段が高いのはそれなりに格が違うんだなあ、と実感したワインでした。(そうでない場合も多々あるのですが…。)

2013年11月28日木曜日

Beaujolais nouveau 2013 est arrivé!

11月の第3木曜日はボジョレ・ヌーヴォー解禁日でした。

お祭りで盛り上がるところは0時をまわったところから飲み始めますが、前日水曜の夜にたまたま行ったケヴィン店では、日付を過ぎて午前1時半まで居座っていたのに違うものばかり飲んでいました。カウンターにボジョレ・ヌーヴォーの瓶がのっていたのになあ?

結局、ちゃんと今年のボジョレ・ヌーヴォーを飲んだのは、木曜日の夜。お休みだったのですが、お店に顔を出してみたら、常連さんで賑わっていました。(私が到着した頃は、半分くらいの人が別のワインを飲んでいましたが…。)

今年、うちのお店には4種類のボジョレ・ヌーヴォーが入荷しました。

昨年と同じレミ・ドュフェートル、フランス・ゴンザルヴェス、そしてカリム・ヴィオネと今年が初ヴィンテージという「セレネ」(ドメーヌと生産者名未確認)。
手前がレミ・ドゥフェートル、
その隣が「セレネ」。
奥に見えるのは「プティ・ルキャン」と「ル・ピュイ」。
手前がフランス・ゴンザルヴェス、
奥がカリム・ヴィオネ。
実はカリム・ヴィオネは飲み損ないました…。到着するのが遅くて、試飲用の瓶は既に空になっていたので。
フランス・ゴンザルヴェスは、まるみがあってフルーティで、熟度が若干他のボジョレ・ヌーヴォーより高い感じ。何か食べながら飲むのにも良いかも。
反対に、「セレネ」はとっても軽くてさわやかな酸味。香りがとっても良い。アペリティフに気軽に飲むタイプ。
レミ・ドュフェートルは前二者の中間でしょうか。わりと酸味もありつつ、果実味も感じます。

昨年も書きましたが、フランス人の間では「ボジョレ・ヌーヴォーはまずいから飲まない」という人が多い。個人的な好き嫌いはあると思いますが、一年に一度のことだし、「初物」だから、一本くらい飲んでみるのも良いのでは。

その他に、南ローヌのドメーヌ・リショー、ルシヨン地方のドメーヌ・レオニン(ステファン・モラン)、ロワール地方のヴァン・コンテ(オリヴィエ・ルマソン)の新酒も入荷。
ヴァン・コンテは、いつもの「プチ・ルキャン」と「ル・ピュイ」が同時に到着。前者はガメイ種の赤、後者はソーヴィニヨンの白です。どちらもまだ飲んでいないのですが、評判が良く、特に白の方はリピーター多し。在庫がつきないうちに飲まねば!!

2013年11月10日日曜日

今日のワイン : Pechigo (Sylvain Saux) "La Mothe " 2006

10月の終わり、ハロウィンの時期ですが、フランスはToussaint(万聖節)のヴァカンスでした。店主が子供に合わせてヴァカンスをとったので、私もその後に休みをもらって、またまたブルターニュの田舎家に来ています。(夏のヴァカンスから帰ってきたばっかりな気がするが…?)

で、今日は、ストックの中からいつ買ったかも忘れてしまった白ワイン。

ペシゴ(シルヴァン・ソー)の「ラ・モット」、2006年(多分)。
裏ラベルを見てみると、どうもシャルドネとモザックらしい?
開けてすぐ注いでみたら、細かな泡が見えたので、ちょっとガス(二酸化炭素)がありそうだったことと、かなり揮発酸の香りがしたことで、少し待ってみた方がよさそうな感じがしました。
ちゃんと冷やしていなかったし、夕食の準備をする間、冷蔵庫へ入れて待つこと数十分。
やはり揮発酸はすごくあって、でもそれがややおとなしくなったら、まあまあ飲みやすい。
しばらく料理に追われつつ、時々グラスを傾け、「このリンゴっぽさがモザックなのかな?」なんて思いながら飲んでいたのですが…
腰を落ち着けて飲んでみると、結構甘い。(室温になっていたせいかもしれませんが。)この甘さがなんだかどっしりきて、あまりしっくりこない。むしろ若干ウザい感じ。

揮発酸(マニキュアの除光液とか、お酢っぽい感じ)は、全然ダメな人もいるでしょうが、多少なら個性を光らせる要素にもなると思います。なので、揮発酸を感じるワインは、人によっては受け入れられないかもしれないし、逆に面白がられるかもしれない。私は、どちらかというと、揮発酸のある白ワインに慣れているので、抵抗なく受け入れてしまう方。

でも、この甘さは…。

まるみのある白ワインは好きだけど、なんか重い。

いや、そんなには重くない。
でも、なんかウザい。

例えば、第一印象はなかなか感じが良くて面白くて、まあまあ友達としてやっていけるかも…と思いつつ、半日一緒にいたらウザくなるタイプ。

赤ワインが飲みたかった夫は、これは一杯しか飲んでないのですが、「すぐ胃にもたれて、疲れさせるワインだと感じた」とのこと。彼は最初から好きになれなかったようです。

こういうワインは、「良い」「悪い」と単純に断定するのではなくて、「好き」か「嫌い」か分かれるものなのだなあと思いました。

というか、ワインというのはそういうものなのでは…と、久々に考えさせられました。

人にそれぞれ個性があるように、ワインにもそれぞれの性格があって、一致・不一致があるのよね。

結局、一人でこのワインを飲み続けていますが、慣れてきた?というか、「まあ、つきあってみたら悪いヤツじゃないし…っていうか、結構いいヤツじゃん?」という感じ。