2012年6月29日金曜日

今日のワイン:Audrey et Christian Binner, "Katz'en Bulles (Riesling 2009)"

ビネールの遅摘みリースリングでつくられたペティヨン・ナチュレル(スパークリング)。


濃い目でジューシー。ブドウの味がしっかり。収穫が遅かったとのことなので糖度がかなりあったのでしょう、アルコール度数が13,5とアルザスにしては高め。SO2無添加で、開栓後時間が経つと酸化の風味。
このままアペリティフにも飲めるし、食後のチーズとも合うかも。

2012年6月28日木曜日

シャッター

この頃は慣れた開店と閉店準備。全然大したことではないのですが、初めて一人でやったときはちょっと大変でした。
実習の期間中、毎日開店から閉店までいて、店主がやっているのを見ていたので、開店はシャッターを手動で上げてドアの鍵を開けて、閉店はその逆…なんてことは知っていたのですが、実際にやってみたらシャッターの重いことにビックリ。

初めて一人で店を開け閉めすることになっていた日、午前中によその試飲会で以前手伝いに来ていた子とばったり。彼に「え〜〜君があのシャッター開けるの?がんばってねーー」と言われました。たしかに店主も「このシャッターは重い」とこぼしてはいましたが、そんなに大変そうに見えなかったけど…?と思いつつ、曖昧に笑顔を返しておきました。そして開けてみたらやっぱり重かったのです。店主はいつもやってて慣れてるんだろうし、力持ちなんだなあ。「なめてました、すみません」って思いました。

でもそれはまだ序の口だったのです。実は下げる方が大変!
まずはひっかけ棒みたいなもので半分くらいまで下ろせたのですが、その後、シャッターはびくともしない…。うーんうーんと一所懸命下げていたら、急に軽くなり、ガラガラ下がり始めました。気づけば通りすがりの男の子が手を貸してくれていたのです。途中でひっかけ棒を中にしまわなければいけないのでストップかけたら、「お腹が空いていると力が出ないんだよね〜」と手を差し出されました。は????よく見たらさすらい系の若者。つまりお金をせびられた…。仕方ないのでちょっぴりだけあげました。
そして若者は去って行き、またもや一人で格闘。今度は(普通に優しそうな)男の人が近づいて来て、「向かいのコインランドリーで洗濯が終わるのを待ってて、さっきから見ていたけど、かなり大変そうですね、手伝いましょうか」と声をかけてくれました。ちょっと絶望的になっていたので、ありがたくお言葉に甘えることに。そうしてやっと二人掛かりでなんとか閉め切ることができました。手伝ってくれた男性も「こ、これはかなり重いね…」と辟易していたほど大変だったのです。
私は次の日、全身筋肉痛になりました☆ シャッターおろすだけで筋肉痛。先が思いやられるというか、情けないと言うか…。

でも、男性の手を借りても下ろすのが困難とは、何かおかしい。店主はいつも一人で下げているんだから、私が見逃したコツがあるにちがいない。
店主に聞いてみたら、そのコツとは、途中まで下げたら一旦引き上げ、はずみをつけて下ろす、というもの。そうかあ〜、その「はずみ」がなかったからダメなのね〜。
店主に顛末を話したら、「うーん、油もぬっておかないとダメだね」。
でもしばらく塗ってくれなくて、やっぱり大変なのでした…。
一度などは、思いっきりはずみをつけて下ろしたら肉離れをおこしてしまった!

最近は、他のお店でシャッターを下ろしているところに通りかかると、電動なのが多く、羨望のまなざしを向けてしまう私です。

2012年6月25日月曜日

サッカーとお店

サッカーのユーロカップが盛り上がってるようですが(うちにTVがないので私は見てません)、フランスチームはこのあいだの土曜日に負けてしまったようですね。新聞にはその関連の話がいっぱい。そんなにおおごとか??と思ってしまいますが、やっぱりそれが関心の的という人は沢山いるのでしょうね。

ユーロカップの第一戦目の日は、お店の上のアパートから、通りに響き渡るほどの叫び声が聞こえ、何事か!?と思ったりしました。単にそこの住人がサッカーの試合を見て興奮してるだけでした…。
かくいううちの店主もサッカーファンらしい。

先々週のある日、お休みだったのでぐだぐだしていたら店主から電話が。「明日の午後、店番お願いしたいんだけど?」とのこと。何かと思えば「サッカーの試合を見たい」だって…。
まあ別にいいよ〜〜私は見ないし…ゆっくり観戦してくださーい、ってことでOKしました。

フランス国内リーグやヨーロッパリーグなどではそれほどでもないですが、4年に一度のワールドカップ、それもフランスが勝ち進んだりすると、街中も人通りや車が目に見えて少なくなります。みんな自宅や友人宅、大画面のあるカフェなどに集まって観戦。一種のお祭りですもんね。

店番を替わった日、レストランの人が買い出しに来たので、「今夜はサッカーの試合があるけど、予約の状況はどう?」と聞いてみたら、「ほぼ満席だよー。うちの客足は、サッカーの試合はあんまり関係ないね」とのこと。そして、「サッカーより、もっと影響があったのは、大統領選決選投票前のテレビ討論だね。」
たしかに、私もその日にたまたま地方から友達が来ていたのでレストランで食事しましたが、いつもいっぱいでにぎわっているそのお店にいたのは、私たちともう2組だけ。こんなの見たことないっていうくらいガラガラでした。

さて、店番を替わった日、わからないことがあったので店主の携帯に電話したところ、応答なし。向こうからすぐかけ直してくれましたが、「うるさくて全然電話の音が聞こえなかったんだ」って…。友達とサッカー観戦中だったらしく、話してる間も後ろで叫び声がして、「えーなんだって?聞こえないんだけど?」みたいな…。こっちとしても、そんな熱狂の雰囲気の中、邪魔してなんだか申し訳ない気持ちになってしまいました。電話中にゴールがなくてよかった…。

でもフランスチームが負けたので、もうかわりに店番を頼まれることもなさそうですw

2012年6月24日日曜日

今日のワイン:Mouressipe (Alain Allier), "Cuvée Càcous" 2011

ワイン生産の地域分けだとコート・ドュ・ローヌ地方とラングドック地方の中間あたりにあって、どっちに入るのか私はよくわからないムーレシップ。(コート・ドュ・ローヌに属するコスティエール・ド・ニームはニームの南東で、ムーレシップはニームの西に位置しているから、やっぱりラングドック?)
4月初めにアルデッシュであった試飲会でテイスティングしたアラン・アリエのワインは全部おいしく感じました。
今日のは「カクー」というキュヴェ。
数ヶ月前に2010年のを飲んだときは、わりと軽めだった印象があるのですが、今回のは結構ぎゅっと濃縮感がありカカオっぽさがいっぱい。でもフルーティさも損なわれず、甘みもあり。そしてアルコール度高め。タンニンの多い濃縮系のワインはあまり好みではないのですが、たまにはこういうのも良いです。
品種はなんだっけ?と思って裏ラベルを見たら…
70%グルナッシュ、10%シラー…って、計80%なんですけど??
あとの20%、なんだろう?

2012年6月22日金曜日

結婚式の季節

フランスは6月に入ると結婚式が多くなります。
私の働いているワイン屋さんでも、今月初め、結婚式用にシャンパーニュの大量注文がありました。また、普通に一本買いに来たのかなと思っていたら、「祝宴に出す赤ワインを探しているので、もし気に入ったら50本ほど注文したいけどストックはありますか?」と聞かれて慌てたり。

フランスではジューンブライドという観念はないのですが、初夏は日も長くなり、外に出たくなる季節、気持ちもなんとなくオープンになるし、気候的にもこういったセレモニーに向いているのでしょう。ただ、7月14日のパリ革命祭を過ぎると8月末までヴァカンスに出る人が多いので、6月からそれまでが結婚式の最も多い期間になるようです。

そしてこの時期に結婚式の多い理由がもうひとつ。それはズバリ、税金対策!
フランスの所得税は、毎年4月〜5月頃に前年一年間の収入額を申告することになっています。前年に結婚した場合、一年間のうち独身であった期間の収入と結婚してからの期間の収入に分けて申告します。私はどう計算するのかよく知らないのですが、これらの期間がちょうど半々だと一番得をするのだそうで、6月に結婚するのが良いのだとか…。

そういうわけで、6月の週末は結婚式に参列しに行く車をよく見かけます。リボンや風船を飾っているのですぐわかります。そして、お祝いのクラクションを鳴らしながら走っています。そういう車に出会うとなんとなくこちらも浮かれた気分になります(単純?)。今日も遠くにクラクションが聞こえました。

2012年6月21日木曜日

今日のワイン:Le Mazel (Gérald et Jocelyne Oustric), "Cuvée Les Lèche"

南コート・ドュ・ローヌ、ローヌ河右岸アルデッシュ地域にあるドメーヌ、ル・マゼル。今日のワインはそこの白、「レ・レッシュ」。好きなドメーヌ、好きなキュヴェです。

私の印象としては、桃缶のシロップを薄めてリンゴ酢を少し加えた感じ(と言ったら、みなさん、ひいてしまうかしら??)。多分、2008年。炭酸ガスが残ってる。なかなか個性的なワインです。

今日はこれを飲むと思ったので、夕食はそれを考慮に入れての献立。
鶏の胸肉のソテー(ガーリック・レモン風味)、にんじんのごま油和えサラダ、茹でジャガイモとアスパラガス(バルサミコ風味)。簡単お手軽なわりに、まあまあイケるマリアージュで自己満足☆

今日は夏至。パリは夏という感じではなく、まだまだ涼しいです。でもやっぱり日がのびたのを感じますね。9時過ぎまで明るい!良い季節です。アペリティフがしたくなりますねー(もうちょっと暑ければ…)。
そして、外は恒例の音楽祭でにぎやか。うちのちょっと先のアベス地区は、路上にDJブースが出てたり、人がいっぱいでした。そこをすり抜けて帰宅、うちで静かにごはんとワインを楽しみ、気がつけば夜もすっかり更けています。
おやすみなさーい。

2012年6月18日月曜日

うちの店と店主

私の働いているワイン屋はとってもちっちゃいお店で、基本は店主が一人でやってます。でも一人っきりで全部こなすのはちょっと無理がありそうな気がします。今までも研修生やパートなどが来ていたようです。かくいう私も、ワイン学校に行っていた間、カリキュラムに入っていた実習のため、4週間ほどこのワイン屋に来ていました。ちょうど学校を終えてパリに戻って来たとき、前に手伝いに来ていた子が他の仕事が忙しくなったらしく辞めたところでした。「手伝いに来たい」と言ってみたら、渡りに船という感じで雇ってもらえてラッキーでした。

とはいえ、これだけ極小の店では、店主と一対一になるので気が合わなければ辛いかもしれません。
うちの店主はわりと静かな感じの人で、それでいてフレンドリーで、近所に住む常連さんも多く、そういうお客さんとはビズもする仲。ワインのアドバイスも的確で、それが魅力でリピーターのお客さんも多いのでしょう。テイスティング力もプロとしてすごいなーといつも思うのです。
ゆるゆるな磁場を感じるこのお店、店主が作り上げたのか?それともワインの力なのか?なんとなく独特の空気があって、くつろぐというか、「気」が落ち着く場所でもあります。
このゆるゆる具合はたしかに店主の性格に起因しているところがあると思います。そしてその性格がマイナスに出てしまうことも。つまり、悪く言えば「いい加減」。例えば、お店の中で目に見えるところは一応きれいに整える努力をしているのですが、レジ裏の机の上は請求書や領収書やその他プライベートのもの(買い物メモとか)や関係ないものや何だかわからないものが入りまじっていたり、サンプルなのか売り場に戻してよいのかわからない瓶が雑多に床に置かれていたり…。まあ、ほとんど一人でやっていたんだから、自分自身、何がどこにあるかわかっていれば良いということで問題なかったのでしょう。って、彼自身、何がどこにあるのか覚えていないという説もありますが…。というのは、探し物が見つからなくて突発的に怒り狂うこともしばしばあるので…。
そういう私も几帳面ではないし、他人の机がとっちらかってるのとか全然平気。それに散らかった状態でほかの人が下手に手を加えると余計わからなくなってイライラすると思うので、なるべく手をつけないようにしています(…って、別に片付けを手伝わない言い訳ではありませんよー。)
開店時間も予告なく変更になったりします。っていうか、もともとの営業時間が変則的でなんか複雑。そういえば、この前、隣の建物に住んでいるマダムが買い物にきたとき、「おたくはいつも閉まってるわよね」と言われてしまったっけ…。いやいや、ちゃんと開いてますよ!
でも、個人商店だし、色々と家族の事情などもあるでしょうから、そういうことも仕方ないと思います。そんなの普通でしょう、だってここはフランスだし!…って私は思っているのですが…ダメ?

そんなお店ですが、集まってくるお客さんはみんな、ここが好きみたいです。私も、お店の雰囲気や店主の人柄や気の良い常連さんたちのことが好きで、楽しくやってます。そして幸いにも今のところ、私は店主の評価ランクの許容範囲内みたいなので、まだしばらくは働かせてもらえそうです。
お店と店主の評判を落とさないようにがんばらなきゃなーと思ってます。

2012年6月17日日曜日

今日のワイン:Gérard Scheller, "Gewurztraminer, Cuvée Particulière" 2010

ジェラール・シュレールの辛口ゲヴェルツトラミネール。ゲヴェルツといえば香り高いのが特徴で、バラやライチというのが典型的。
たしかにこのワインもアルザスワイン特有のフローラル&フルーティなアロマを感じますが、ゲヴェルツっぽさはやや控えめかな。
そして…んー、ちょっぴり塩っぽさがあるような?
コクがあって美味しいです。
香りすぎないこれでも、お料理の風味の邪魔にならない「縁の下の力持ち」的ワインとはちょっと違うので、簡素でさっぱりしたお料理に華やかさを添えたいときに良いかも…
というのが個人的な感想。

2012年6月16日土曜日

ロワール・ワイン・テイスティング@カーヴ・オジェ

今日はパリのカーヴ・オジェでロワールワインの試飲会があったので、朝から行ってきました。


最近のパリはお天気が悪く、今日も雨模様。屋外だったので、ちょっと寒かった。

生産者が来ているので、色々質問できます…といって、私はあんまり考えずただ味わっているだけで、隣りの人が質問してるのを耳にして「ああ、そういうこと聞かなくちゃなんだなあー」と思ったり…。どちらかというと、どんな人が造ってるのかの方に興味津々。

気難しそうな人、ユルーい感じの人、真面目で丁寧に答えてくれる人…色々です。人柄って造るワインに影響するのかな、やっぱり??

今日のお買い物:
左はDomaine de Montrieux (Emile Hérrédia), "Verre des poètes" 2010
エミール・エレディア、優しいムッシュー。とても自然にそしてすごく丁寧に、みんなの質問に答えていました。
このワインは樹齢100年のピノ・ドニスからつくられた赤。ミネラルいっぱい。
右のはPascal Simonutti, "Vin de bagnole, on s'en bat les couilles" 2010
マグナムボトル!いぇい☆
大事故から無事復帰のパスカル・シモニュッティ、体格も雰囲気も”熊”っぽい。
グリーントマトの酸味を感じました〜。

試飲会を午後一で退散、ワイン屋に出勤。
入れ違いにお昼を食べに出て行った店主は、6時半すぎまで帰ってきませんでした…(よくあることなので、そろそろ慣れっこ)。おまけに5時過ぎからスペインワインの試飲会があったりして(そんな話、聞いてなかった!)、今日はなんだか疲れました。

2012年6月15日金曜日

はじめまして、はじめました

昨年(2011年)秋から今年の初めにかけて南仏のワイン学校でワインアドバイザー養成講座を受け、今春ワイン業に転身したばかりの、まだまだひよっこアドバイザー。
新たな経験のなかで、びっくりしたり、つい笑ってしまったりする出来事がままあって、そんなエピソードや、テイスティングしたワインの覚え書きなどを書きとめていきたいと思って始めてみました。

ということで、どうぞよろしく。