2012年7月26日木曜日

今日のワイン:Le Pré Noir (Pascal Simonutti) "Le Pré Noir (étiquette verte)", Michel Guignier "Bistère" 2007

前から噂には聞いていて、一度行ってみたいと思っていたCoinstot Vino。ワイン好きの友達がオススメだというので、予約してもらって一緒に行ってみました。

約束の前にワイン屋で閉店まで仕事していたのですが、たまたまお店に来ていた常連客のPとお喋りしていたらこのビストロの名前が出て、「今日あそこへ行くなら絶対これを飲みなさい」と言われたワイン。
パスカル・シモニュッティの青ラベル(というか、本当は緑らしい…?ビミョー)。多分2010年。品種はガメイ100%。
これを頼んだら、すぐ返ってきた言葉は「ああ、あれね、すっごいナチュラルですよ〜〜」。カラフしてからグラスに注いでくれましたが…うーん、よくわかった、その言葉の意味。とってもアニマル。というか、厩のような、生きている獣の皮と毛のにおい。でも還元香なので、グラスをぐるぐるまわすうちに消えていきました。それでも最初はなかなかとっつきにくいワインでした。あー、カーヴ・オジェの試飲会でパスカル・シモニュッティさんに会ったときのことを思い出します〜(「俺は俺、他人のことは関係ないぜ」っていう印象だったのです)。除梗してないのかも?青い苦みがあります。そして、ロワール地方(トゥーレーヌ)ながら少しどっしりとした果実味。そこはかとなく可能性を感じ、もうちょっとひらくのを待った方が良かった気がしますが…「すごい!」「美味しい!」と、こういうワインが大好きな友達と夫にぐいぐい飲まれてしまいました…。(個人の好きずきなのか…私のワインの味覚がまだまだ未熟なのか…。)

私は前菜に魚を選び、この赤があまり合わない気がして、飲むのを控えつつ食べたので、特に他の二人に遅れをとってしまったのでした。
タプナードがのったグリルの鯖と、ピクルスがのったやわらかい鯖のデュオ。

そしてメインにはイベリコ豚のプルーマという部分のグリル。
これもPにおすすめされた一品。牛ステーキみたいに焼き加減を指定できます。レアでお願いしました。外側はカリッとしていて、中はとってもやわらか。じゅわっと脂がしみて、私にとってはちょっぴりしつこかったですが…。
友達と夫はそろってタルタルステーキ。
薄くスライスしたパルメザンチーズがのっています。じゃがいもが別皿でくるのが嬉しい。「このタルタル、ワインに合うねえ」とご満悦な二人でした。(そして私のメインとのマリアージュはいまいちでした…。まあそんな日もあるわな。)

メインもほぼ食べ終わってしまいましたが、やっぱり3人(しかもワイン好きのこの面子)で1本では足りない!ということで、ソムリエのギヨームにおすすめをお願いしたら持ってきてくれたのが、ミッシェル・ギニエの「ビステール」。ガメイ続きで選んでくれました。
ミッシェル・ギニエはボジョレの生産者。見本市で会ってお話したことがありますが、真摯にワイン作りをしている姿勢が伝わってくるムッシューです。これは村名ヴォールナールのアペラシオンですが、ボジョレ・ヴィラージュや、ボジョレのクリュ(フルーリ、ムーラン・オ・ヴァン)など、いくつかの違うAOCのワインを作っています。でも、自らのワインがAOCだけで呼ばれてしまうのが嫌だそうで、それぞれに名前をつけています。
こちらも奥深さはありましたが、時間が経つと酸味が出てきて最初のに比べると軽め。申し分なく正統なボジョレ。

この後、ワインに合わせてギヨームがチーズを味見させてくれ(おいしいトム、日本酒の生酒を思わせる味がしました)、続いてフランに目がない夫がデザートを追加注文…と、楽しく満腹。閉店すぎまで長居してしまいました。

ビストロでよく見かけるのは大人のカップルですが、数人でわいわい食べて飲んでご機嫌なグループもあったり、旅行者の家族連れグループもあったり、ビールだけ飲んで帰ったグループもあったり…と、気さくな雰囲気のビストロでした。また行こうっと!

2012年7月25日水曜日

今日のワイン:La Sorga (Anthony Tortul), "Aubunite" 2010

先日も飲んだラ・ソルガのワイン、今回のはカルカッソンヌ産らしいです。
「オービュニット」という名前のワイン。そしてこのラベル……。

このラベルに引いてしまって買わないという人が沢山いそうな気がします(-_-;)
なぜにこのようなラベルなのでしょうか?中世の雰囲気の残るカルカッソンヌだから??(いや、カルカッソンヌに行ったことないので知りませんが。)


ぶどう品種はカリニャンとオーブン(Aubun)というあまり聞いたことのない品種。(ちなみにオーバンAubinという白品種もあるらしいですが、別物。)オーブンの原産は南ローヌ地方のヴァントゥー山ふもと辺りらしいですが、風に弱く、あの地域のミストラル(北風)には耐えられないのでしょう、新しく植える人はいないらしいです。ラングドックの方でまだ栽培されているみたい。
抜栓してみたら、コルクがすでにヴァニラっぽい香り。だからブショネではないと思うのだけど、すごくそれに近いような木の香りがしました。樽熟成?(でも、通常、うちの店主は樽熟成の性質が突出しているものは好んで仕入れないはずなのに…?)ヴァニラのようなスパイシーなアロマにメロンみたいなフルーティさもあり、アルコール度は10,5と低く、口あたりもタンニンも軽め。この樽っぽさが気にならない人ならスイスイ飲めるはず(私は気になってしまった)。
なんとなく「???」が頭の中に渦巻くワインでした。どういうものか確かめるためにもう一本飲んでみたい…。

ちなみに、開けた日に飲み終わらなかったので、翌日少し残っていたのを飲んでみたら、樽っぽさが控えめになり、だいぶフルーティさとタンニンが前面に出て来てよかったです。カラフするべきだったかも。うーん、やっぱりもう一本飲んでみたい…。

7月26日 追記:最初にアップした写真の画像があまりにも悪かったので差しかえました。ついでに裏ラベルも追加。

2012年7月24日火曜日

ワインの補糖

前回、アルコールはぶどうの糖分から発生すると説明しましたが、この糖分の調整というのがとても難しいようです。というか、人工的に調整はできないので、収穫するタイミングをよく見計らわないといけません。ぶどうがまだしっかり熟していない状態で収穫してしまうと、アルコール度が足りなかったり、酸の多いワインになったりしてしまいます。かといって、収穫直前の天候によっては、せっかく育てたぶどうがダメになってしまうこともあるので、待ち続けるのも簡単ではありません。

糖分が足りない状態でぶどうを収穫した場合、どうしたらよいでしょうか?
多くの生産者にとって、その答えは簡単、「糖分を補えば良い」のです。
11月の第三木曜日が解禁日となっているボジョレ・ヌーヴォーなどは、解禁日に合わせて出荷しなければいけないので、収穫もあまり待っていられないし、醸造に時間をかけられません。(というか、逆に時間をかけないのが新酒の特徴なのですが…。)となると、少し危うい仕事になります。そこで、生産者は補糖をすることがあります。
これはAOC(原産地統制呼称)を名乗る場合の指南書でも認められている場合があります。そして、認められる補糖の量は、年によって変わるそうです。なぜなら、暑い年と涼しい年では、ぶどうに含まれる糖分が変わるからです。比較的涼しく、甘いぶどうが収穫できなかった年には、特に補糖が認められます。
また、シャンパーニュやアルザスなどの涼しい地域では、当たり前のように補糖する生産者も多いようです。

基本的には、他のぶどうやビーツなどから摂取した糖ですが、例外として精製した糖、つまり砂糖を入れることもあるようです。
以前、テレビのルポルタージュで、大型スーパーで大量の砂糖を買ったワイン生産者が疑われ、監査が入ったところ、ボジョレ・ヌーヴォーを作るのに許容以上の補糖をしていたことが発覚した、と伝えていたのを見たことがあります。

逆に、温暖化の現象によって気温が上がるのと水不足とでぶどうの果実が濃縮され、アルコール度数が上がってしまい、困っている生産者もいます。特に南部ではそうです。2011年は暑い夏が長く続き、全般的に南ローヌではかなりアルコール度数が上がってしまったようです。ちょうど醸造が始まった11月頃、シャトー・ヌフ・ドュ・パップの生産者を訪問したのですが、「今年は本当にアルコール度が高くて困っていて、周りでは水で薄めることにした生産者もいる」と言っていました。

絶対に補糖はしない、水で薄めたりもしない、という生産者も勿論います。ただ、AOC(原産地統制呼称)を名乗るにはアルコール度数の規定もパスしなければいけないので、それを捨てる覚悟でワイン作りにのぞまなければならなくなります。
しかし、添加物を加えることなく、ぶどうそのもの、ぶどうの表現するそのままからワインを作る…そんな自然体の「テーブル・ワイン」と、いわゆるブランドのひとつであるAOCを得るために補糖や加水したワイン、どちらを選ぶかと聞かれたら、私は迷わず前者を選びます。(そしてそれが美味しくなかったら、それはまた別の話です。)

2012年7月17日火曜日

今日のワイン:Les Vins Contés (Olivier Lemasson) "Le Puits" 2011 / La Sorga (Anthony Tortul) "La Sorga rouge" 2011

お天気がまったくさえず、気分もくさりがちな今夏のパリ。夏はどこへいった〜〜!?

…と言いつつも、晴れ間があればカフェのテラスも人でいっぱい。ちょっとくらい肌寒くても、やっぱり太陽を満喫したい!
久々にきれいな夕空がみられた先週末(あっ、そういえばパリ祭の日でした)、私も早速アペリティフの用意。こんな日にはさわやかな白!

…ということで、オリヴィエ・ルマソンの「ル・ピュイ」。
ロワール地域、トゥーレーヌのレ・ヴァン・コンテは、もともとはぶどうを買ってワインを造るネゴスでしたが、最近はオリヴィエ・ルマソンが自分の畑も持っています。
「ル・ピュイ」はソーヴィニヨン100%。ソーヴィニヨンというと、カシスの若芽のような(というか、私は個人的にあまり好きでないので「猫のオシッコのような」と言います)青くさい香りが特徴ですが、このワインにはそれを感じませんでした。むしろ白桃、洋梨、青リンゴのような果実の甘くさわやかな香り。でも口に含むと酸味がしっかりあって、きりっとしています。シンプルなワインで、本当にアペリティフにぴったりです。
美味しいので、ついつい飲むペースがあがってしまいました。

食事のときにもう一本。
アントニー・トルテュルがやっているネゴス、ラ・ソルガの赤。
彼はぶどうを買ってフランス南部のいろいろなところでワインを造っています。これはラングドックのピック・サン・ルー…らしいですが、アペラシオン(原産地統制呼称)はなく、ヴァン・ド・フランス(テーブル・ワイン)。
ぶどう品種はサンソー100%。

以前、お店でちょっと飲ませてもらったときは、ぶどうの濃い甘みが感じられ、「ちょっと甘すぎるなあ…?」という印象だったのですが、店主は「以前、テイスティングしたときはこうじゃなかった」と言っていたので、トライしてみることにしました。
たしかにすっきりしていてタンニンも軽くフルーティ、ミネラル感もあり、なんといってもSO2無添加のピュアなワイン。気に入りました! 

…で、調子にのって飲み過ぎましたぁ〜〜。翌日、久々にちょっぴり二日酔い☆
しばらくアペリティフ自粛です(?)。

2012年7月16日月曜日

ワインの酵母

ちょっぴりワイン醸造の裏話を。

ワインという飲み物は「ぶどうをアルコール発酵させてできたもの」ということは、ほとんどの人が知っていると思います。しかし「ワインのアルコールはどうやってできるのか?」と聞かれたら、答えられない人もいるのでは?

ワインのアルコールはぶどうの糖分から発生します。ぶどうがよく熟していればそれだけ糖度があがり、よってアルコール度数も上がります。そのため、フランスワインの中でも、太陽をいっぱい浴びてよく熟した甘いぶどうができる南の暑い地域(ラングドックや南コート・ドュ・ローヌ、プロヴァンスなど)の方が、涼しい北部や山間部(シャンパーニュやアルザス、サヴォワ)よりもアルコール度数が高くなる傾向にあるのです。(その他、品種などにもよりますが。)

さて、ぶどうの糖分は、酵母によってアルコールに変身します。といっても、酵母が勝手に働いてアルコールをつくってくれ、放っておけばワインができる、というわけではありません。色々な酵母があるうえ悪影響を与える雑菌もあり、下手をすると飲めない液体になってしまいます。なので、ワイン醸造家は、発酵の課程で脇道にそれないようによく見張り、もしアクシデントがあればそれなりの対処をしなければなりません。しかし、対処できないケースもあり、下手をすればすべてがパアになる恐れもあります。

こうしたリスクを避け、確実にワインを造るための裏技(というか、今ではほとんどの大量生産ワインでは行われていること)があります。それは、ぶどうについている自然の酵母ではなく、醸造家向け専門店で売っている乾燥酵母を使うこと。これは「選出された」酵母とも呼ばれます。この「有能な」酵母は、他のすべての酵母(ぶどうについている自生酵母)の働きを抑え、アルコール発酵に一役買ってくれるのです。

乾燥酵母が必要な理由がもうひとつあります。特に、ぶどう栽培の課程で駆虫剤や除草剤などを使った場合です。虫や草と一緒に自生酵母も殺してしまう可能性が多く、農薬を使って栽培されたぶどうでは自然発酵が難しくなります。確実に発酵を得るには、人工的に手を加えること、すなわち乾燥酵母を添加することが必要になるのです。

乾燥酵母にも色々と種類があります。専門店サイトで見ることができるのですが、品種特有のアロマを活かす酵母などがあり、生産者は好きなものを選ぶことができます。これを活用すれば、別の品種でも流行のアロマを与えることもできるようです。また、ビオ(オーガニック)のブームにのって、ビオ認定の酵母もあります。

醸造過程で酵母を添加するというのは、意外と知られていない事実のようです。ワインアドバイザーの講座を受けていたとき、醸造課程についての講義でこの話が出たのですが、ほとんどの学生がそのとき初めて知って驚いていました。

スーパーなどでよくみかける、安価で品種を前面に出して品種特有のアロマを売りにしているものは、こういう人工酵母を使っているのだろうなあと思います。

乾燥酵母のおかげで、たしかに無難にワインを造ることができるでしょう。でも、ぶどうが育てられた土地でついた自然酵母は一切抑えられてしまいます。どこかしら個性の欠けたワインになったとしてもおかしくないのでは…と疑問に思ってしまいます。

もちろん、自然酵母だけでワインを造る生産者もいます。むしろ、オーガニック・ムーブメントで、そういう自然派の生産者が増えてきているようです。(といっても、私はこの流行に少し懐疑的なのですが…。その話はまた別の機会に。)

しかし、農薬を使わず、乾燥酵母に頼らない…化学の進歩でラクできることを知ってしまった現代、そんな風に手をかけてワインを造るのはどれだけ大変な仕事でしょうか。黒く荒れた手で自らワインを配達に来る生産者さんに会うたび、私もがんばろうという気持ちになります。

2012年7月13日金曜日

今日のワイン:La Grapperie (Renaud Guettier) "Adonis" 2010

昨日はお休みだったので夫と二人、午後から散歩に出かけ、思いついてお気に入りのビストロ「Autour d'un verre(オトゥール・ダン・ヴェール)」で夜ご飯。

夫も私もメインに鶏肉のグリル、ワインはおまかせで注文。
オススメされたのがラ・グラップリーというドメーヌの「アドニス」。
ロワールの品種、ピノ・ドニス100%。
ピノ・ドニスは、胡椒っぽい味があるのが特徴。

カラフにうつして持ってきてくれました。開けたては酸味が目立ち、バランス的にちょっと心配になりましたが、時間が経つとともに丸くなり、これはカラフして正解。胡椒味も最初は酸に引き出されて強いアクセントとなっていたのが、ワインがひらいたら少し落ち着きました。後からフルーティさも出てきて、すっきり飲みやすく、美味しいワイン。

メインの鶏肉ともよく合いました。


2012年7月10日火曜日

今日のワイン:Domaine Les Terres Promises (Jean-Christophe Comor), "Analepse" 2010

南仏、プロヴァンス地方のドメーヌ・レ・テール・プロミーズの白ワイン「アナレプス」。
他で聞いたことのない(少なくとも私は、ですが…)カリニャン・ブランという品種。カリニャンというと赤なんですが、白もあるんですねえ。
ロールという南地域でよく使われる品種も入っているようです。

開けたてはハーブのようなさわやかさがあり、同時にアルコールの力強さもあり、いかにも南仏の白。コルシカの白とか、こういうハーブっぽさが香るワイン、私は好きです。

残念ながら夕食の生サーモン&いくら丼にはあまり合いませんでした。生の魚ではなく、さっと調理した海鮮類が合いそう。ブーケ・ア・ラ・マヨネーズ(クール・ブイヨンとブーケ・ガルニでゆでた海老をマヨネーズにつけて食べる)とか、オリーブオイル仕立ての魚介類パスタ(ボンゴレ・ビアンコ?)とか、ヒメジのグリルとか…フランス・イタリアの地中海料理に合いそうです。

開けた日は一人ごはんだったので飲みきれず、翌日は友達と外食、3日目に飲みきりました。栓をして冷蔵庫に入れておいたらしっかりもちました(さすがにさわやかな風味は落ちましたが)。

Thanks for Laure who works in the estate Terres Promises and who gave me this wine.

2012年7月1日日曜日

今日のワイン:Domaine des 2 ânes, "Limod'ânes; 2011

今日の午後遅く、天気が良かったのでお友達とピクニック。バスティーユ広場の近く、運河沿いの歩道にあるわずかな芝生エリアで。

私がピクニックに持参したのは、ドメーヌ・デ・ドゥーザンヌのリモダンヌ。「ドゥーザンヌ」とは「二匹のロバ」という意味。ブドウ畑を耕しているのが二匹のロバ、そしてこのドメーヌを経営しているカップルもロバが好きで、二人ともロバのように頑固一徹な性格で労役を担っていとわないという理由で名付けられたらしい。

「リモダンヌ」はロゼの発泡ワイン。カリニャン100%。
「リモダンヌ(LIMOD'ANES)」というのは「リモナード(LIMONADE)」(フランス語でレモネード)を文字ってつけた名前と思われます。瓶もレモネードみたい。気をつけないと間違って子供が飲んでしまいそう…要注意!
すみません、写真のピントがずれていますが…瓶口のシールもハートがついていて可愛い。

色はロゼというには濃く、赤に近いかも。飲み口はどちらかというと辛口、でも甘みが後押し。タンニンを感じます。アペリティフに軽く飲むこともできるし、豚肉や鶏肉など白系お肉料理にも合いそう。夏の日の長い夜、テラスでおつまみと一緒にいただくアペリティフや軽いご飯にぴったり。

試飲会の一日

昨日の土曜日、私の働いているワイン屋で試飲会がありました。
年に一度、毎回この時期にやっているそうです。
以前働いていた人に「オーガナイズは店主に任せず、率先して進めた方が良いですよ〜」と助言いただいたのですが、初体験の私にはどう展開するのか全く予想できず、結局(というかやっぱり)ドタバタな一日となったのでした。

当日の朝はいつもより一時間早く出勤…にも関わらず、試飲会予告開始時刻の11時にセッティングが間に合わず。
今回は店内ではなく屋外での試飲会。お店の前の路上にテーブルを設置する傍ら、「テーブルクロスがひとつしかないから半分に切って」と渡されたのはベッドシーツ(なんでお店にベッドシーツが置いてあるんだろう?とずっと不思議に思っていたのですが、謎が解けました)。参加の生産者さんたちも、「本当に始まるのは何時かな?」と半分冗談を言いつつ準備を手伝ってくれました。そんな状態でも、午前中は来店客も少なく、お天気も良くてのんびりした雰囲気。といっても、その裏で、私は参加生産者さんたちがその日に納品したワインを必死に売り場に並べ、店内整理に追われていたのでした…。

お昼が近くなって、店主の友達がテリーヌやサラダ、タルトなどを作って持ってきてくれました。みんなでそれをつまみながらのテイスティング。食事エリアが出現したので、テイスティングは一旦道路の向こう側へ移動。みなさん、渡る時は車に気をつけて〜。

午後の早い時間まではまだ人も多くなく、私もお昼を食べたりこんな写真を撮ったりする余裕がありました…が、時間が経つにつれ、どんどん人が増え、洗っても洗ってもグラスが足りない!という状態に。

快晴だったので、屋外でのテイスティングは気持ち良く、陽気でなごやかな雰囲気でしたが、日差しが強くて暑いこの状況はワインにとっては辛いもの。冷たくして試飲してもらう白ワイン用のワインクーラーの氷もすぐ溶けてしまって困りました。うちのお店に製氷機などないので、近くのカフェに氷をもらいに行ったのですが、あまりに何度も往復したので、嫌味を言われたりすごーーーーく嫌な顔をされたり。まあ当たり前ですよね…。
次々と空く瓶も、片付けが追いつかない。建物内のガラス類専用ゴミ箱もついに一杯に。仕方がないので、すぐ近くにある公共のガラス類専用コンテナに捨てに行きました。お店に戻ろうとしたら、コンテナの隣のカフェから氷がいっぱいのバケツを手にした店主が出てきました。ん???二人とも出払ってた?…ってことは、お店に誰もいない!?
でも生産者さんたちもいるし、常連さんもいっぱいいるので、あまり心配していない二人。店主もげらげら笑っていました。(なんてユルい店なんでしょう…。)

本当にたくさんの人が集まってくれて、試飲会というより交流会という感じでした。私は働く側だったのであまりそれに参加できなかったのは残念…というか、それが働く側の宿命ですね。でもみなさん楽しく過ごされ、満足されたようで、良かったです。

そんなてんてこまいな一日でしたが、以前働いていた人たちや店主の親しい友達が手伝ってくれ、なんとか無事に終えることができました。とっても疲れて、途中「もう帰りた〜い」とまで思ったけれど、やっぱり特別で忘れがたい経験、思い出深い一日となりました。